イタリア人にとって、パネットーネはクリスマスを祝うお菓子。
その名は「大きなパン」という意味で、
バターや卵、ドライフルーツをたっぷり使った発酵菓子です。
11月も終わりに近づく頃になると、
イタリアの街にパネットーネが姿を現します。
ベーカリーやお菓子屋さんのウインドウにパネットーネが並び、
スーパーや食料品店でもパネットーネが山と積まれます。
ラッピングペーパーもボックスもリボンも色とりどりに
飾り付けられたパネットーネ。
発祥の地ミラノの伝統と言われる、
レーズンとオレンジピールを混ぜ込んだクラシックタイプから、
さまざまなフルーツやナッツ、チョコレートを練りこんだもの、
シロップに浸したもの、クリームを詰めたもの、
あるいはパルミジャーノ・レッジャーノやサラミを使った塩味のものまで、
そのバラエティは無限ともいわれています。
「パネットーネはあのお菓子屋さんのものが美味しい」
「今年はあのパネットーネを取り寄せよう」などと
パネットーネを巡って、人々の心も浮き立ちます。
親しい友人やお世話になった人への贈り物に
パーティへの手土産としてもパネットーネは大人気。
12月はどの家もクリスマスツリーの近くなどに
いくつものパネットーネを並べて、
クリスマスから1月6日のエピファニーの頃まで
パネットーネを楽しむのです。
エピファニーが過ぎても、パネットーネは少しだけ残しておき、
2月3日の聖ビアジオの日に最後のパネットーネを食べると
喉を守る聖人ビアジオのおかげで、風邪を引かないとか。
ミラノに昔から伝わる風習です。