先ごろ、イタリアの食専門メディア「ガンベロ・ロッソ」に掲載された記事によると、2019年のイタリアで消費されたパネットーネは26000トン、額にして2億900万ユーロ(およそ263億円)。イタリア全世帯の60%がなんらかのクリスマス菓子を購入し、そのうち55%はパネットーネ(それもほとんどがトラディショナルタイプ)を選んだそうです。
パネットーネを購入した950万世帯のうち、240万世帯がアルティジャナーレ(大量生産ではないパネットーネ)を選び、その販売数は490万個。前年より5.3%伸びていることから、人々の関心が、スーパーなどで売られているパネットーネから菓子店やパン屋、レストランが手がける少量生産のものへと少しずつ移っていることがわかります。そして12万世帯が初めてアルティジャナーレのものを購入していますが、中でも中部イタリアに住む25〜34歳の若い世帯に突出してその傾向が強いとのこと。これは、アルティジャナーレのパネットーネへの需要が今後も伸びていく可能性を示しています。
ミラノの星付きレストラン、「カルロ・クラッコ」では、パネットーネ・アルティジャナーレを作り始めて3年目。1年目、2年目は2000個を販売しましたが、オンラインストアを始めたところ、急激な伸びを見せ、今年は5350個を販売する予定だと言います。パンデミックの巣ごもり需要が影響しているとはいえ、倍以上とは予想を超えていたそうです。
パネットーネ・アルティジャナーレを選ぶ人の60%が、信頼の置ける小規模なお店、そして有名パスティッチエレのものを選ぶと回答。また、身内や友人からの情報、ウェブでの評判、パッケージの良さも選ぶポイントだそうです。スーパーで山積みになっているパネットーネがまだまだ主流ではありますが、こだわりのパネットーネはこれからもますます増え、それを求める人々もまた増えることでしょう。