来る7月15日(火)・16日(水)に開催予定のリエヴィト・マードレ保護協会アンナ・サルトーリ会長による講習会について準備を進めております。
アンナ・サルトーリさんは現在日本の粉を使っての試作に取り組んでいます。日本の粉とイタリアの粉では製造規定が異なるため、日本の発酵菓子製造現場により適したフォーマットを研究する必要があると考えているからです。もちろん、気候、環境の違いも大きく影響しますが、素材の違いを理解することで対処の方法が見極められるというのがアンナ・サルトーリさんの見解です。
講習会では、繋縛、浸水、リキッド(LiCoLi、別名クレーマ)の三つの繁殖(保存)方法別のリエヴィト・マードレについて解説を行います。3種のリエヴィトで同じレシピを用いたサンプルを題材に、どのリエヴィトがどのような結果をもたらすのかを体験します。またリフレッシュメントによるリエヴィト・マードレの調整についてもポイントを解説します。
現在、イタリアでは、リエヴィト・マードレを使った発酵菓子が多く作られていますが、協会が調べたところによるとそのほとんどは化学的に安定させたリエヴィト・マードレで、リフレッシュメントが不要。種継ぎを重ねたリエヴィト・マードレとは異なり、香りが乏しく、味わいも単純です。それを補うために香料を用いることも多く、発酵菓子本来の魅力が失われているのも事実です。また、購入したリエヴィト・マードレを使っていても材料表記に示す必要はなく、日々リフレッシュメントを行なっている職人手作りの製品との違いが一見しただけではわからないという問題も出てきています。日本においても輸入される大量生産のパネットーネとの違いを消費者に正しく伝える必要があり、その点において問題の根本は同じです。講習会では、インダストリアル、購入したリエヴィト・マードレを使用しているセミ・アルティジャナーレ、そしてアンナ・サルトーリさんが作った製品との試食を通じて、その違いについて解説します。お客様への説明に役立つ情報を得ていただくことが狙いです。
また、パネットーネのデモンストレーションも並行して行い、作業のポイントを説明、質問にお答えします。講習内容に生かすために、事前の質問を募集しております。リエヴィト・マードレ、パネットーネその他の発酵菓子についてのご質問をお寄せください。
さらに、ご自分のリエヴィト・マードレをご持参いただいた参加者にはアンナ・サルトーリさんがその場でチェックし、改善点などアドバイスする時間を設ける予定です。
最後に、リエヴィト・マードレ保護協会への入会についてのご説明もいたします。作り手はリエヴィト・マードレを協会へ送付、協会が提携する研究機関によるDNA分析を経た後、入会が認められます。会員は協会が発行する認定マークを製品に添付することが可能となります。手続き一連については事務局としてパネットーネ・ソサエティがサポートいたします。
この講習会では、講師と参加者のインタラクティブなやり取りを推進いたします。アンナ・サルトーリさんも皆さんとの意見交換を楽しみにしています。
7月15日は現在満席となっており、15日をご希望の方にはキャンセル待ちをご案内いたします。16日についてはまだ空きがございます。
日時:2025年7月15日(火)・16日(水)終日
*講習内容は両日とも同じ。
*講習時間は10時〜17時を予定(変更の可能性あり)
場所:株式会社ニップン 東部技術センター(東京・信濃町)
参加料:20,000円(税別)
お問い合わせ・お申し込みは以下にお願いいたします。
info@panettonesociety.org
*講習内容は予期せず変更する場合があることご了承ください。